芒果布甸/Mango pudding



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マエストロの婚礼 5






 ホテルに戻り、早速お互いのスケジュールを突き合わせて帰国する日を決めることにする。


 「あれ?」


 真一は、来月以降のスケジュールをまだ貰っていなかったことに気づき、慌てエリーゼにメールで送ってもらう。


 「え?」


 「ふぉ……」


 PCに届いた俺の来月以降のスケジュールをのだめと覗き込み、驚いてエリーゼに折り返し電話をかける。


 「千秋です。エリーゼ、このスケジュールって……」


 「ご覧のとおりよ」


 「……」


 エリーゼから届いた来月以降の俺のスケジュールは、この1年間のスケジュールと比較して、客演は半分以下になっている。


 「まぁ、千秋もこの1年間頑張ったし、ヒューストンではいい営業活動もしてくれたから、そろそろペースダウンしていいころでしょう。
 もちろん、まだまだ名前を売って行かなきゃいけない時期だけど、そろそろ仕事も選んで、どーでもいいのは断っていかないとね」


 なに?不満でも?と面倒臭そうに言い捨てる。


 「いや……、すげー助かる。サンキュ」


 「まぁね、感謝されて当然ね。そろそろのだめとだって、けり付けるんでしょ」


 「ぶっ!」


 「やっぱり。で、いつなの?」


 「……いや、まだ詳しいことはこれから……。
 でも、なるべく早く……」


 「そ。それがいいわね。
 あ、子供はまだだめよ。2年間は禁止」


 「はぁ?それエリーゼが決めんのかよ……」


 じゃ、決まったら早めに連絡しなさいよ?と、まくし立てると、電話は一方的に切られた。


 「はぁ……、アイツってただ者じゃねーな。
 説明する手間省けたけど……」


 「そデスね……」









 2週間後に3日間だけだが、なんとか二人揃って帰国できそうだとわかり、お互いの親に電話する。


 大川ではのだめから結婚という言葉が出た途端に大騒ぎとなり、とても落ち着いて話しのできるような状況ではなくなった。


 とにかく辰男と話をさせろと電話を代わる。


 「お父さん千秋です、大変ご無沙汰しております」


 「む、息子よっ!!!」


 辰男の一言に、また野田家は収拾のつかない状況になる。


 「と、とにかく帰国した際に直接、きちんとご挨拶させていただきますので、よろしくお願いします」


 「千秋くんっ!ありがとなっっ!」


 うわーん!大泣きする辰男にこれ以上話を続けることはできず、大きくため息をついて電話を切る。


 「ご、ごめんなサイ」


 「いや……、なにはともわれ喜んでくれてるみたいでよかった。ほっとした」


 いやー、断られたらどうしようかと……。


 のだめは思う。この人は本当にかわいい。自信満々の俺様のようでいて、自分が他人に好かれていることについては全然自覚がないのだと。


 「そんなわけないじゃないデスかー」


 「はー、とにかくよかった」


 続いて母親に電話する。
 実はこれが一番面倒というか、なんというか……。


 ……pupu、pupu……


 プッ!


 「……真一から電話なんて、何事?」


 いきなり、第一声からプレッシャーかかるじゃねーか……。


 「あー、どう、最近?」


 「なんなのよ、そのとってつけたような挨拶。
 いいから、さっさと本題に入りなさい?」


 「あ、あのさ。その、俺達そろそろ……」


 「俺達って?」


 「俺とのだめ……」


 「やっと決めたのね。のだめちゃん、そこにいるの?」


 「あ、ああ、いるけど……」


 「じゃあお話したいから代わってくれる?」


 「う、うん……」


 こちらもエリーゼ同様察しがよいというか、なんでも分かってます感がなんとも……。


 「あ、真一よかったわね、振られなくて。おめでと」


 代わり際に、お祝いなんだかよくわからない言葉を言われ、複雑だ。


 「征子ママ、おひさしぶりデス」


 電話をのだめに代わると、のだめは、はいはい、そうですねーなどと楽しそうに相槌を打っている。


 この二人は俺となんかよりよっぽど親しそうだ。
 母親のことはのだめに任せて、俺は帰国のエアーの手配をするためPCに向かった。




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