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ボーイ/ミーツ/ラッキー☆ガール 36 先輩、ヒドイデス! 寝たふりしてたなんて! はじゅかしい……顔が火のついたように熱い。 「のだめ? なに真っ赤な顔してんだよ?」 先輩がのだめに擦り寄ってくる。 ど、どうしよう……目が合わせられないデス。 「ぎゃぼっ!」 先輩は俯いて先輩から反らしていたのだめの顔を、両手で挟んで自分のほうに向ける。 「人が話しているときは、相手の目を見ろって習わなかったか?」 そういって先輩はのだめの顔を両手で挟んだまま、自分の顔を近づけてきて……。 先輩の漆黒の瞳がのだめの目を真っすぐに見つめてくる。 酔っ払って、少し焦点の定まらない瞳はすごく色っぽくて……。 先輩の瞳の中にのだめが映ってる。 「のだめ、キスしよっか?」 「ぎゃぼ! どどどどどうしてデスか?」 「どうしてって……この前のキスのお返し?」 そういって、先輩はものすごくエッチな顔で笑う。 こんな先輩、見たことなかったから、自分の心臓の音が、先輩にも聞こえてしまってるんじゃないかと思うくらいドキドキする。 先輩の右手が、のだめの頬を優しく撫でて……はうん、ゾクゾクしマス。 のだめの身体は魔法がかかったみたいに固まってしまって、どうしたらいいのかわからなくて。 先輩が少し顔を傾けて、のだめの顔に近づいてくる。 「のだめ? 目閉じて?」 どどどどうしよう? なんだか怖くなって、のだめはぎゅっと力いっぱい目を閉じまシタ。 「くっくっくっ……お前、力入れすぎ……」 そういった先輩の息遣いがのだめの頬にかかる。 だから、先輩とのだめはもうすぐキスするんだってわかって……。 「うわっ! な、なんだよ……」 のだめは思わず、両手で自分の唇を塞いでまシタ。 「なんだよのだめ、キスしないのかよ?」 そっと目を開けると、ちょっと不満そうな先輩の顔。 「……のだめにとっては、大切なファーストキスなんデス。酔っ払って、わけわかんなくなってる人とはしたくありまセン。 それに……先輩がキスしたい人はのだめじゃないデショ?」 のだめにキスを拒まれた。 酔っ払いとはしたくないって……のだめの言いたいこともわかるけど……ん? 俺がキスしたい相手? なんのことだ? 俺がキスしたいのはお前なんだけど……。 拒まれたら、余計にのだめとキスしたくなった。 くそ! 何がなんでものだめとキスしてやる! 「俺のキスしたい相手はお前なんだけど……酔っ払ってなんかねーぞ?(大嘘)」 「嘘デス! すごーく酔っ払ってマス! じゃなきゃ、のだめとキスしたいなんて、思わないデショ?」 「なんでだよ! のだめとキスしたい! させろ!」 「いやデス!」 「させろ!」 「どうしてデスか!」 「好きだからに決まってんじゃねーか!」 「嘘デス!」 「嘘じゃねえ! 俺はお前が好きだ!」 「えっ!」 「あっ……」 一気に酔いが醒めた。 俺なにしてんだ? のだめに煽られて、ついぽろっと言ってしまった。 でも本当の気持ちなんだから、勢いとはいえ後悔はしていない。 のだめを見れば、驚いたのだろう、大きな瞳をいつもより大きく見開いて、口をぽかんと開けて、俺を見つめている。 「あの……それはどういう……」 「……どうもこうも、そのままの意味だ。俺は……お前のことが好きだ」 押さえつけていた感情が堰を切ったようにあふれ出していた。 のだめに出会ってからまだ1年たってないけど、俺は気がつけば出会ってからこれまでの気持ちを話しはじめていた。 「俺はお前の悲愴を偶然レッスン室の前で聞いて……お前と知り合ってすぐ好きになった。 お前のことも好きだけど、お前のピアノも大切に思っていて、お前とどうこうなりたいっていうより、お前のピアノをなんとかしたいって思った。 だから、連弾してすぐお前に好きだって言われたとき、すごくうれしかったのにあんな事……。 でも、お前に大嫌いだって言われて、それは俺の思いあがりだってすぐ気付いたから……。 まずはお前に気持ちを伝える前に、俺は自分自身のことを頑張るべきだって思ったんだ。 お前への気持ちを封印して来たけど……俺もいろいろ限界だったのかもしれない。 それに……お前がこの前、俺にき、キスしたりするから……」 「ぎゃ、ぎゃぼっ!のだめのせいデスか?」 「そうだよ、お前が無自覚に俺を挑発したりするから……」 「の、のだめはそんなつもり……」 「……それより、お前はどうなんだよ? 俺は正直に答えたぞ? 俺のこと好きなんだろ? お前も正直に答えろ!」 ふぉぉ……先輩が顔を赤らめて、のだめのことを好きだって……しかも会ってすぐに、そんな風に思っていてくれたなんて……。 びっくりしたケド……すごくうれしい! 酔っ払っているせいもあるんだろうケド、先輩はいつもより饒舌で、情熱的で……でもやっぱり俺様なんデスね? 俺のこと好きなんだろ? 正直に答えろって……そんな真正面から言われると……どうしていいかわかりまセン! じりっ……じりりっ……。 野獣のように目をギラギラさせた先輩が、のだめのことをじっと見詰めて、のだめの言葉を待っていマス。 戸惑うのだめにイラついてるんでショウか? 怒ったような顔で、どんどんのだめに近づいてきて……。 「せ、先輩? 酔っ払ってマスよね?」 「酔ってねーって言ってんだろ?! はやく言え! 言わねーと、無理やりキスするぞ?」 「ぎゃ、ぎゃぼっ! い、言いマスから、ちょっと待ってくだサイ……」 本当はすごく嬉しかったカラ、このまま先輩に好きだって言って、キスしてもらってもよかったんだけど……。 なんとなく流されたくなかった。大切な先輩への気持ちだから。 またこの前みたいに、酔っ払ってて、翌日なにも覚えてないなんて言われたら、のだめ辛すぎマスもん。 だから、もし先輩が翌日もちゃんと覚えててくれたら……そうしたらのだめの気持ちをちゃんと言って……。 明るいお日様の下で。正々堂々と先輩と。 「じゃあ先輩、デートしてくだサイ」 「はぁぁ?!」 「こんな酔っ払って、わけわかんない先輩に、のだめの気持ちを言うのはいやデス」 「なんだよそれ……だから酔いなんて、とっくのとうに醒めたって……」 「のだめのこと好きなら、ちゃんと誘って、告白してくだサイ」 「……めんどくせーな……」 「じゃあ、のだめも言いまセン!」 「えっ?! マジかよ……」 先輩はすごく困ったような顔で……、でも意を決したように顔を上げると、のだめの目をまっすぐに見て言ってくれまシタ。 「じゃあ明日、デートする」 「あ、明日はだめデス。松田先輩と一緒にマカロンパーティーの日デスから……」 「ええっ?! もうそんなもん、ブッチすりゃいいじゃん……」 「約束は約束デス。 それに松田先輩、約束破ったら暴れそうデスよ?」 「……たしかに」 「先輩、大丈夫デス。 のだめは逃げも隠れもしまセンよ?」 「……っっ!」 のだめのやつ、余裕で笑いやがった。 そんなこと言われたら、俺だけがっつくみたいなこと、できねーじゃねーか……。 「マカロンパーティーして、さっさと松田を帰したら、二人でデートだからな! びしっと決めてやるから、覚悟しとけよ!」 ぷぷぷ……先輩ってば、どこまでも俺様なんデスね? 元気になってくれたみたいで……よかったデス。 でも、なんだか、のだめ……すごい宣言をしてしまったような……はううっ! 緊張してきまシタ……。 「せ、先輩……のだめ帰りマス……」 「えっ……そ、そうだな。俺も風呂入って寝る……。 じゃあ……明日」 「はい……おやすみなサイ」 「お、お前もちゃんと風呂入れよ?」 「ぎゃぼ! は、はい……」 がちゃっ。 「千秋ー! 来てやったぞ? 喜べ、松田様特製の激うまマカロンだ!」 「い、いらっしゃい……早かったな?」 「なんだ? 寝不足か? 目の下にクマできてんぞ?」 「え?! あ、ああちょっとな……」 「はぁーん、巨匠が帰っちゃったからなぁ……。 くっくっくっ、千秋海外いけねーもんなぁ、かわいそうに……」 「……」 がちゃっ。 「おじゃましマス……」 「やぁ! 恵ちゃん! ほらーマカロンだよー!……ってあれ? 恵ちゃんもどうした? 可愛い目の下にクマつくって……。 寝不足か?」 「ぎゃ、ぎゃぼ……だ、大丈夫デス……」 「そか。まぁいーや、マカロンパーティー、はじめよーぜ!」 ずかずかずかっ。 ご機嫌でやたらとテンションの高い松田が、リビングへ入っていくのを見送ると、うしろに立ってたのだめに小さな声でつぶやいた。 「のだめ、松田が帰ったら……約束だからな」 「むきゃ? 先輩ちゃんと覚えててくれたんデスか?」 「当たり前だろ?」 よし、松田を帰したら、のだめとデートだ! さっさと始めて、ちゃっちゃと終わらせるぞ! 37へ> な、なんだか松田くんのキャラがよくわからなくなってきました(爆) ブレブレかも……すみません。 ↑拍手を一時的に変えてみました。 |