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ボーイ/ミーツ/ラッキー☆ガール 19 "のだめ、昨日はごめんな? 今日は、夕食一緒に食べないか? 真一" "のだめデス! 大丈夫デスよー!友達を大切にするのは、人として当然のことデス! 今日は、お友達のマキちゃんとレイナちゃんとお買い物に行く約束なので、ごめんなサイ。また今度デス! のだめ" 「はぁぁ……」 「千秋ぃー!どーしたんだよ? また、のだめに振られたのか?」 「え?」 ずーん……(真っ黒) 俺……また振られたのか? 「うわっ!千秋マジかよ……。 おいっ!冗談だってば! たのむよぉー!俺の試験、明日なんだからさぁー!」 「千秋……マジに頼むよ? 落ち込んでる場合じゃなくて!」 「だ、大丈夫……」 それでも、奏でられた演奏は、春っていうより……初冬? 「なぁ、千秋。 マジでお前、のだめのこと好きなんだな?」 「……」 「そっか、無言は肯定とみなすぞ? まぁ、昨日までのお前の行動については、真澄ちゃんに聞いてるし。 でも、昨日は仲直りしたんじゃねーの? 仲良く帰っていったくせにさ」 「……そうなんだけど……」 「のだめ……のだめってば!」 「ふぉ?」 「ぼーとしちゃって大丈夫? ほら、アンタに話があるって女の人来てるわよ?」 「あれって……多賀谷彩子じゃない?」 「ぎゃぼ!さ、彩子さんがなんで……」 教室の入口に目をやれば、やはりそこに立っていたのは彩子だった。 「こ、こんにちはデス……」 「突然ごめんなさい?……昨日のこと謝りたくて……。 野田さん、真一と約束してたのに、急に押しかけた私が横取りしたみたいになっちゃって……ごめんなさいね」 「いえ……友達が困っているのに力になるのは当然のことデスから……」 「わ、私は別に、こ、困ってなんて……。 それに、友達って……ねぇ?」 「ああ!戦友サンでシタね?」 「……それ、昨日も言ってたわね? 真一が焦りまくって聞けなかったんだっけ……。 ちょうどいいわ、野田さん、これからちょっとお話しできる?」 「ふぉ?」 二人は、カフェテラスに場所を移して、向かい合っていた。 彩子の手元にはコーヒー、のだめの手元にはカフェオレが手をつけられる事なく置いてある。 「その……戦友ってどういう意味?」 「えと……ガッコのレッスン室の前で、初めてお会いしたじゃないデスか? あの時、のだめはてっきり、千秋先輩と彩子さんは恋人同士だって誤解しちゃったんデス。 で、翌日、千秋先輩に会ったとき、それは違うからって言われて。 彩子サンは、音高の同級生で戦友みたいなものだって、先輩が……」 「……へぇ。 そんなこと言ったの、真一。ふうーん……」 「あの、のだめからも聞いていいデスか? 千秋先輩と彩子さんは、いったい何を一緒に戦ったんデスか?」 「一緒に戦ったのかしらね? むしろ敵同士だったのかもしれないわ」 「へ?」 「真一がはっきり言わなかったのに私が言うのは気が引けるけど……直接私があなたに聞かれたんだから、答えたっていいわよね? 私と真一は、つい2年くらい前までは恋人同士だったのよ、本当に。 だから、私は真一にとって、元カノってこと」 「え……そだったんデスか」 「真一もバカよねぇ?はっきり本当のこと言えばいいのに。 よっぽど私のこと、あなたに知られたくなかったのね」 「……」 「音高時代からの付き合いで……3年くらい付き合ったかな? 真一はあの調子で音楽バカだから、私のことはいつもぽっぽらかしで。 私からふってやったんだけど、あの人、しばらく私にフラれたことすら気づいてなかったみたいよ?」 「……」 「まぁ、真一が私のことを戦友って言ったのは、音楽に対してってことなんでしょうけど。 ほら、真一は行きたくても海外には行けない体じゃない?」 「ほえ?海外に行けナイ?」 「あら?この話、真一から聞いてない? いやだ私ったら、てっきり野田さんにも話してるもんだと思って……。 ごめんなさい、今のは聞かなかったことにして?」 「え?それはどういう……」 「これは真一自身のことだから……。 彼があなたに話してないのに、私からは話せないわ」 そっか……先輩と彩子サンは恋人同士だったんデスね。 とってもお似合いだし、昨日のあの雰囲気はまさにそういう感じデス。 のだめに言いたくなかったって……どうしてでショウ? それに彩子サンが最後に話した、海外には行きたくても行けない体って……どういうことでショウ? 彩子サンが知ってて、のだめの知らない先輩の秘密。 やっぱり先輩にとって彩子サンは、特別な存在なんデスね。 先輩はもしかして、まだ彩子サンのことが好きなのかな? むむ……胸がモヤモヤしマス。 先輩から夕食を一緒にってメールがきたけど……本当は美味しい先輩のごはん、食べに行きたいけど……なんとなく今日は先輩と顔を合わせるのが気まずくて、お友達と約束があるなんて嘘をついてしまいまシタ。 でも、どうしてこんな嘘をついたのか、自分でもよくわからないんデス。 のだめはいったい……どうしちゃったんでショウか? 俺はこの日、うまく音楽に集中することができなかった。 情けねーな。 こんなんじゃだめだ。 心配した峰に誘われるまま、今日も裏軒へ。 俺は峰に聞かれるまま、のだめとの出会いから昨日の出来事、さっきのメールのことまで、話していた。 今までの思いが、まるで堰を切って流れ出すように、勢いよく溢れ出した。 俺は限界だったのかも知れないな。誰かに聞いてもらわないといられないくらい……。 「へぇ……のだめってすげーな。 あの調子じゃ、計算じゃねーよな? 無意識かよ、どんな小悪魔だよ〜」 俺には無理……とつぶやきながら、峰が焼酎のお湯割りに口をつけた。 「なぁ……俺、避けられてるのかな?」 「さぁ……実際に見てみたわけじゃねーから、そこまではわかんねーけど、もしのだめが昨日のことでお前を避け始めてるんだったらそれは……」 「そ、それは?」 「お前のことを、意識し始めたっていうことじゃねーの?」 「え?」 「大体、一回連弾でお前に惚れたっていったんだろ? あとはタイミングとかだけじゃねーの?」 「タイミング……」 「俺は、女の子の気持ちなんて全然わかんねーけど、好きじゃなかったら部屋に上がってメシ食ったり、髪をシャンプーさせたりしないんじゃねーの?」 「そ、そうかな?」 「そうだろー!」 「そ、そうかっ!(復活)」 「じゃあ千秋!明日は俺の人生がかかってるからな!頼んだぞ!」 「誰にむかって言ってんだ?お前こそ、ミスなんかすんなよ?」 峰に話したおかげで、胸のつかえがとれるどころか、すっかり自信まで回復した俺は、そのころのだめが思い悩んでいることなんて、想像もしていなかった。 20へ> |