芒果布甸/Mango pudding



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3.展開部>>>






 「なぁ、お前どう思う?」


 真一くんがぽつりと呟いた。むきっ!無視デスヨ、無視。


 「なにもなぁ、こんなときに『フクレのだめ』になることないと思わねぇ?」


 むきっ!なんでショウ、その言い草。
 『フクレのだめ』ってなんデスか?勝手に呼び名なんてつくらないでくだサイ。
 そもそも悪いのは真一くんデスヨ!


 「……俺だって、やっちゃったってわかってるんだけどさ。
 謝りたくったって謝れねーし。
 ……なぁ、お前ならどうする?」


 むむ。なんだか真一くんの様子が変デス。
 お前ならどうするって…、のだめは怒ってる当事者なんですケド。
 その質問の仕方おかしくないデスカ?


 本当は今はこの部屋にはのだめしかいないんデスヨ?
 真一くんなんてこの世に存在しない設定なんですカラ。


 だけど、ちょっとだけ気になってしょうがないので、ひとまずこの設定をタイム!って解除して、真一くんの様子を見てみましょうカネ?
 でもでもっ、真一くんには気付かれちゃだめデスヨ。
 慎重にミッションを遂行シマス!









 「ぶはっっ!!!!」


 フクレのだめがふきだした。


 それはまるで、天岩戸に引きこもっていたアマテラスが顔を出し、真暗になっていた世界にもう一度、光が降り注いだように。


 「真一くんでばっっ!!!むひっ、ひひひっ!!!」


 「……そんなに笑うな……」


 俺はほっとしたのと同時に、この状況に激しく羞恥を感じ、顔がカァっと熱くなってくるのを感じた。


 「ぷぷぷ……、だって、真一くんがっ……ぎゃはぁ!
 そんなラブリーなものに話しかけるなんて、西から昇ったおひさまが東に沈みマスヨ!」


 「……俺はバカボンか……」



 そう、俺は生まれて初めて、このような恥ずかしい行為に及んだ。
 だって、仕方ないだろ?


 二人きりのこの小さな部屋には、テーブルセットと、大きな姿見と、ちょっとしたチェストが置かれているだけで、この危機的状況を救ってくれるようなものは見当たらなかったから。


 ふと目にとまった、チェストの上に置かれた一対のテディベアの、俺と同性と思われるヤツに救いを求めるように、つい手にとってしまった。


 「はぁ……」


 タメイキをつき、ソイツを眺めるも上手い方法が見つかるわけではなく。
 気付いたときには、ぽろっとこぼれた言葉をソイツに向かって話しかけている自分がいた。









 いつもと様子が違う真一くんがつい気になってしまって、真一くん曰く『フクレのだめ』状態のルールを破って、真一くんを見てしまった。


 大きな身体を、あまり大きくはないチェアーに窮屈そうにおさめ、背中を丸めてがっくりと頭をうなだれて。


 真一くんの両手にはテディベアがちょこんと乗せられて、真っ赤な顔をした真一くんに話しかけられて、居心地が悪そうデス……、ぷぷぷ。


 思わず噴出しちゃいましたヨ。のだめの負けデスね?




 この部屋のチェストに飾ってあった、一対のテディべア。私たちと同じように純白の衣装を身につけている。




 そろそろ許してあげまショウかね?






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