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星の黒王子さま 5 せっかく僕の壁の絵に初めて、有機物である黒猫なんてものを書いてあげたのに、黒王子さまは喜ぶどころか、文句を言うばっかりで……。 僕は、初めての個展なんてものにナーバスになって、イライラしていたんだ。 「もう!しつこいよ!なんでそんなにしつこいの? 言われない?粘着ってさ!」 「え……」 ずーーーんっ。 やばい……。今のは大人げなかったよな? なにか地雷的なものを踏んでしまったようだ。 黒王子さまは、めずらしくがっくりと肩を落とし、落ち込んでいるみたいだった。 「あ、えと……。なんだろ? こう……旅をしてて、楽しいことはなかった? 尊敬できる人との出会いとかさ?」 僕はさらに黒さを増して、真っ黒な黒王子さまをなんとか元気づけたいと、話題を変えてみることにした。 「人間ってさ、ある面はとっても尊敬できるんだけど、 それ以外は最悪ってこと……あるよね?」 「ま、まぁ……いい面もあれば悪い面もある。 それが人間だからね?」 「俺の尊敬する人たちは……。 すごいんだよ、音楽的には。 だけど……音楽がなかったら……ただのエロじじいとか、子供みたいな人とか……。 なんていうか……俺を音楽だけじゃなく、人生を導いてくれるような、100%師と仰げるような人って……なかなかいなくて」 そういって、黒王子さまは苦悩の表情を浮かべる。 ふっ……やっぱり子供は子供だよな? ここは僕がオトナな意見で黒王子さまを導いてあげるか。 「僕は思うんだけど……。 人間は所詮、体一つだろ? その一つの身体である1つのことに情熱を注ぐと、その分だけ他はおろそかになる。 僕は絵を描いているけど……もし、僕にもっと才能があって素晴らしい絵が描けるなら……それ以外のことなんてどうだっていいと思う。 君が尊敬できる人たちは、音楽においては最高なんだろ? だったらそれ以外のことがおろそかになったって、誰も責められはしないさ」 決まった(ガッツポーズ) すると黒王子さまは首をかしげて、僕にこう言ったんだ。 「そうかなぁ? 俺はなにをやらせても完璧で、非の打ちどころがないけど……」 ばきっ。 絵筆が折れてしまった。 だから個展に間に合わなかったとしても、それは黒王子さまのせいであって、僕は何も悪くないからな! 最終話へ> |