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星の黒王子さま 4 黒王子さまがあんまりしつこいので、 僕は壁の上に、小さく黒い子猫を描いてあげた。 「なんだよこの小さいのは……俺は俺のための黒い子猫がほしいのに……」 まったく……文句ばっかり言って。 本当に可愛げのない黒王子さまだ。 「そんなんじゃ、人気者にはなれないよ?」 ついつい、年甲斐もなくいじわるを言ってしまった。 「人気者なんて……。 きゃーきゃー言われて、動物園のパンダみたいに みんなにジロジロ見られて……。 ちっともよくない」 黒王子さまはそう言って、頬杖をついた。 「へぇ……なんだか経験があるみたいな言い方だね?」 「まあね。 俺はどこに行っても、女どもが遠巻きにキャーキャー言うんだ。 そのくせ、近寄ってくるわけでもないし、俺になにかしてくれるわけでもない。 勝手だよな?女なんて……。 あ、でも……まるっきり女ってわけじゃないのもいたな」 僕は、女にキャーキャー言われるのが当たり前で、 なおかつ迷惑みたいに言う黒王子さまにカチンっ!と来たけど、 まあ、これだけ端正な顔立ちなら仕方ないよな……と諦める。 「まるっきり女じゃないって……どういう意味?」 「男のくせに……なよなよしやがって……。 自分じゃ乙女……とか言ってた。 でも……パーカッションがすごく上手いんだ。 それに……抱きついてきたりするけど…… いつも……俺のこと考えてくれるっていうか…… 他の女たちとは、違ってたな……」 そう言うと、黒王子さまは、鼻をすん、と鳴らしてそっぽを向いてしまった。 なにかを思い出して、後悔しているようだった。 5へ> |