芒果布甸/Mango pudding



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 最近の俺は忙しくて、家でゆっくり料理する時間もない。


 今日の夕食も近くのブラッスリーで軽く済ませた。


 一息つけば、もう時刻は二十三時すぎ。


 グラスの赤ワインを眺めていたら、ふとアイツのことを思い浮かべた。


 アイツのイメージじゃないのに、なんで赤……と思い巡らせていると、暗がりの中にぼーっと浮かぶ赤のパーツが、切り取られたイメージで浮かび上がってきて……。






 Perfume






 アイツ……もう寝たかな?


 店を出て、自然と足は三善のアパルトマンに向かっていた。


 合鍵で部屋に侵入すると、バスルームから水音が聞こえる。


 ベッド周りに放り出されたままの衣類などを拾い集めてランドリーボックスへ。


 散らかったベッドルームを簡単に片付け、リビングも自分の居場所を確保できるくらいに片付けていると、のだめがバスルームから出てきた。


 「ふぉ! 先輩、来てくれてたんデスか? どかしまシタ?」


 「……別に。お前相変わらず部屋汚すぎ……」


 俺に近づいてくるのだめからは、フルーツ系のバスソープの香りが漂ってくる。


 久しぶりに会うのだめをすぐに直視できず、手を動かしながら無愛想に答えていると、近づいてきたのだめが俺の腰にふわりと抱きついてきた。


 「重い、邪魔……」


 「はうん、ナマ真一クン久しぶりデス……」


 俺は仕方なくという態度で身体を起こし、腰に巻かれたのだめの両腕を掴んで解くと、のだめに向き合う。


 「ナマって言うな。お前はもっと語彙を増やせ」


 「真一クン、久しぶりに充電させてくだサイ……」


 いつものように俺の小言なんて気にもしないで、のだめは俺の胸の中に入り込んでくると、胸の中心に鼻をぴったりとくっつけて、大きく息を吸い込む。


 「久しぶりの真一くんの匂い……」


 「変態……」


 「先輩、疲れてマスね……」


 「え?……」


 変態行為の最中、のだめがその行為とは不釣り合いな台詞を言うから、俺は思わず聞き返した。


 「のだめ、わかるんデス。真一クンの匂いで、ご機嫌だなとか、怒ってるなとか、疲れてるなとか、そゆう真一クンの体調とか感情とか……」


 「……ふーん。でもそれ、お前の思い込みだろ?」


 「そうかもしれませんケド……大体当たってマスよ?
 ご機嫌なときはご馳走の匂いがするし、疲れてるときは煙草の匂い強めだし、怒ってるときはちょっとスパイシーというか……」


 「……」


 「あと、ニナとRuiの匂いも嗅ぎ分けられマスから、もしのだめが知らない女性の匂いがしたら、すぐにわかりマス」


 「……」


 「たいてい一度限りだカラ、女性ソリストさんとか、お仕事関係だと思いますケド」


 「……当たり前だろ?」


 「でももし、のだめの知らない女性の匂いが二回以上続いたら……」


 「……たら?」


 「……殺しマス」


 そう言ってのだめは顔を上げると、艶っぽい瞳で俺を見つめ、笑う。


 その瞬間、背筋にゾクゾクっと何かが走る。


 俺の腰に回っていたのだめの両手がすうっと胸元にのびてきて、俺のワイシャツのボタンを外し始める。


 「お、おい……なんだよ……」


 「だって匂いでわかりマスもん……」


 「な、なにが?」


 「真一クン……興奮してきたデショ?」


 「……どんな能力だ。
 大体、興奮している時の俺って、どんな匂いだよ?」


 「えと……ビターチョコとブランデーがまじりあったような匂い?」


 「……ふーん。風呂まだだけど……」


 「むしろそのほうが……」


 「……変態」


 小悪魔のような笑顔を浮かべるのだめを抱え上げ、俺はベッドに向かった。




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 Nサマ、いかがですか?ちょっと短いですが。


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