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Butterfly 「また、触ってる……」 「だってー。ふふふ……」 真一クンは今、いつものようにうつ伏せで、腕を枕の下にもぐりこませた体勢でベッドに横になってる。 世間では黒王子なんて言われてるクールな千秋真一も、ベッドで無防備に眠っている姿は、まるで小さな男の子みたいでかわいい。 寝相だって、すごいんデス。お布団を蹴っ飛ばしたり、横で一緒に眠っているのだめの事を、突然抱え込んだり……、はぅん。 そんな真一クンの姿を知っているのは、のだめだけだって思うと、ちょっと優越感デス。 真一クンの好きなところはいろいろあるケド、大きくて、意外と筋肉質な背中はその1つ。 黒王子ファンの女性たちが、演奏中の千秋真一の背中に熱い視線を向けるのは、仕方の無いことだと頭ではわかってるんデスけど。 でもなんだか、のだめだけの真一クンの大好きな背中が、複数の女性の視線に晒されていると思うのは、正直複雑な気分デス。 だからのだめは、そのお返しとばかりに、ベッドの上で無防備に晒された、素肌のままの大きくて、すべすべで、ちょっと筋肉質で綺麗な背中を、隙があればじっと見つめちゃうんデス。 そして、黒王子ファンも知らない、のだめだけが知っている秘密。 それは、首のうしろ、服を身につけると隠れて見えない場所。 そこにあるのは蝶の形をした痣。 これに気付いたのは、あの満月の夜。玄関先で拾った、千秋先輩。 酔って苦しそうにしている先輩の、ワイシャツのボタンをはずして、首もとをゆるめてあげた時。 翌日、先輩が忘れていったベルトを渡そうと追いかけていったときには、しらばっくれられましたケド。 恋人になって、二人きりで夜を過ごすようになって、明け方近くにふと目覚めて、腕枕のはずれた真一クンを見ると、うつ伏せで小さな男の子みたいに眠っていて……。 無防備に晒された首筋には蝶の痣。 のだめだけが知ってる、真一クンの身体の秘密。 知っているのは恋人だけの特権デスよ? 真一クンの中にあるスイッチ、何がどうやって入ってしまうのか、のだめには未だにさっぱりわかりまセン。 今だって、仕事から帰って来た真一クンに、ヒューストン宇宙センターでの話を夢中でしていたはずなのに……。 気がつけば、のだめの身体はふわりと宙に浮いて、バスルームに辿り着いたと思ったら、のだめの背中は閉じたバスルームの扉に押し付けられていて。 「これが無重力体験デスか?」 「そう。適度な運動もしないとな?」 「ぎゃぼ……」 真一クンの瞳には、いつのまにか情熱的な熱がともっていて、のだめはいつもそれに抗えない。 「そろそろ黙んねーと、過度な運動になるからな……」 そういって、真一クンの綺麗な顔がのだめの顔に近づいてきて、のだめの唇が真一クンの唇でふさがれて、ちょっとほろ苦いゴロワーズの香と一緒に真一クンの香に包まれて、頭の芯がぼぉーっと痺れていくのを感じた。 いつものことだけど、わけがわからないうちに、のだめの素肌が徐々に晒されていく。 のだめも負けてばっかりいられまセンから、震える指先でなんとか真一クンのワイシャツのボタンを1つずつ外す。 「ほら……。手、止まってんぞ?」 もやのかかるような視界の中で、ちょっと薄めで完璧な形を描く真一クンの唇の広角がすぅっと上がる。 そのイジワルな微笑み。のだめは、とっても好き。身体の中心がきゅっとなっちゃうんデス。 「だって……、真一クンが……、のだめの邪魔、するんデスよ……」 そんな風に言い返せば、絶対にお仕置きがくるってわかってるのに、のだめは黙っていられずに、言い返してしまうんデス。 「邪魔……ね」 そういって、真一クンの唇がのだめの耳たぶを優しくはむ。 びりびりっ……と、全身に電気が走るような感覚。 動けなくなったのだめを、きっと嬉しそうに見下ろしている真一クン。 のだめの代わりに、もう1つだけ自らボタンを外すと、面倒くさそうにワイシャツを裾から捲り上げて、脱ぎ捨てた。 どうして? いつも、指揮台の上では、情熱的かつ冷静に、オケを導くために振られるタクト。それを握り、空で振られる美しい指先。 そして、そのタクトの導くオーケストラの旋律が、自分の思い描くとおりに奏でられたとき、かすかに動く魅力的な唇。 そんな、音楽のために存在する2つの部位が、今のだめの身体の上で、触れて、滑って、吸い付いて、擦ってゆく。 そんなことをぼんやり思うと、余計に感じてしまうからやめればいいのに。 そして、そんなことを考えていると、すぐに真一クンに気付かれてしまって、さらにお仕置きされてしまうのに。 「何……考え……、てっ、……るんだよ?」 「……なん、でも……な……いっ……、デス……、んっ!」 追い詰められて、焦らされて、おかしくなる、たまらなく切ない。 ふと、途切れ途切れの意識の中で、薄目を開けて、ぼんやりした揺れる視界を捉えれば、バスルームの鏡に映った、のだめと真一クンの背中。 のだめの腰から下に、跪いた真一クンの首筋には、あの蝶の形をした痣。 うつ伏せで眠っているときに見るそれとは違っていて、うっすらと赤みがかかって色は濃さを増し、真一クンの動きにあわせて、ひらひらと舞っているよう。 まるで、真一クンの舌の動きと連動しているようで、まだかろうじて保っていた自我は、あっけなく手放すことになる。 モウ、ノダメハ、シンイチクンニ、ツキウゴカサレテ、シタガウ、ダケデス……。 「そこ……、なに?」 気付いたときには、のだめは両手をたくましい真一クンの肩と首に絡ませて、身体ごと預けて。 のだめの指先は、無意識にあの蝶の形の痣を何度も何度もなぞっていたらしい。 途中から、違和感を感じていたらしい真一クンが、やっと呼吸を落ちつけて、のだめに訊ねる。 「うふ……、のだめだけのナイショデスよ?」 バスルームのひんやりした石張りの床に座り込んでいたのだめの身体が、またふわりと宙に浮いた。 シャワールームへと続く、ガラス戸のスチール製のノブを掴みながら、のだめを見下ろす真一クンの顔がイジワルそうに微笑む。 「そんなこと言ってると、どうなっても知らねーからな」 ああ、怒らせてしまったかも。 でも、そんな真一クンにちょっとドキドキ、ワクワクしているのだめは、イケナイ子ですか? 如月さまのサイトBitter Sweet Lovesさんとの相互リンク記念に、献上させていただいたSSです。 lesson2ののだめの台詞、千秋の首に蝶のあざがある……から、いつか書いてみたいなぁと思っていたのですが、お恥ずかしい(赤面) 美しい男の身体に蝶ってすごく萌えます。 ちなみに香水が大好きな香港の俳優さんニコラス・ツェには、お尻の上に蝶の紋紋があります。それがすごく好き(自爆) 若気の至りで、当時付き合っていた中国の巨星フェイ・ウォンとおそろで入れたんですけどね。 今はもう、お互いに違う人と結婚してますので、結構なでかさの紋紋をどうしたのか、とっても気になるところなのですがw すみません、話が激しく中華寄りに脱線いたしましたが、設定はピアニストの休日、18話Houston 1の中のある一夜になっております。 併せてお読みいただくと、一粒で二度美味しいです(意味不明) 気付いたのですが、拙宅の真一クンは、えちとなると俄然ヘタレ度が下がり、俺様になるようですw |